新宿ヒロクリニック英裕雄先生が明医研の在宅医療を視察されました

医療法人社団三育会新宿ヒロクリニックより英裕雄(はなぶさひろお)先生が、明医研ハーモニークリニックの在宅医療を視察されました。

明医研中根晴幸理事長と新宿ヒロクリニック英裕雄先生

英先生は新宿区大久保で外来診療と在宅医療を行っており、永六輔さんの主治医であったことでも有名な先生ですが、20年前にハーモニークリニックで一時期診療をサポートしてくれた医師です。(研修医時代の英先生の指導医が中根理事長という出会いでした)

今ではその言葉が徐々に浸透してきた「かかりつけ医」「総合診療」「在宅医療」。まだまだその認知度が低い時代であった20年前から、英先生と中根理事長は在宅医療の質を向上させるために目的を共有し、共に社会的使命をもって取り組んできた同志でもあります。

久しぶりの再会に笑顔がこぼれます

 
本日(2017年7月14日)は、明医研での在宅医療を視察されました。明医研グループが毎日実施しているビデオカンファレンスにも参加され、チーム医療・グループ診療における情報共有や診療方針の決定等におけるプロセスを見ていただきました。
在宅医療を必要とする症例では、多くの場合に長期にわたる療養生活となることから、介護保険の活用までも含めた多職種連携を図ることが重要となります。
明医研では、このカンファレンスに多職種(医師や外来看護師のみならず訪問看護師等)も参加し、より質の高い医療を目指して対応しています。
また、英先生より新宿ヒロクリニックが新宿区で展開している在宅医療の取り組みと地域特性を踏まえた課題について情報提供いただきました。

 

高齢化社会の進展の中で、社会的要請がますます高まる在宅医療。
医療の急速な進歩に伴う在宅医療の二ーズに応え、患者さんに温かさと信頼を届けるという重責を改めて感じられる一日となりました。

訪問診療に出発する英先生と中井秀一医局長

 

現在はドライバーがいますが、20年前は

英先生の運転で訪問診療されていました

多職種によるビデオカンファレンス

英先生による新宿ヒロクリニックの情報提供

写真については、明医研Facebookに掲載しています。是非ご覧ください。


早速り英先生のブログでも、訪問の詳細が掲載されていましたので併せてご案内します。

英裕雄先生ブログ「花咲く地域医療」2017年7月14日 「総合診療のユートピア」より引用抜粋

そして本日お伺いしたのが「ハーモニークリニック」だ。

院長の中根晴幸先生は、私の研修医時代の指導医である。私に在宅医療の必要性を教えてくれた師匠でもある。つい最近当院でも外来をはじめかかりつけ医療機関としてのスタートをしたばかりだが、その中根先生が22年かけて、埼玉県浦和市に作り上げたクリニックはまさに中根先生の地域医療の魂が込められた地域医療機関であるはず、その学びを私たちは今こそ必要なのだと感じたのだ。

開設当初からのコンセプトが素晴らしい。

外来診療と同時に、当時ではまだ珍しかった訪問看護、薬局との連動による在宅医療を開始されており、しかも自宅での中心静脈栄養カテーテル設置など非常に先駆的在宅医療をされていた。

それが20年以上の歳月をかけて、クリニック2つ、訪問看護ステーション3か所に増えて、スタッフ数100名を超える大所帯に発展していることは、あながち裏付けがないわけではない。そこには、開設当初からの理念を引きつぐ古くからいるスタッフは、もちろん今でも中心的な役割を担っているし、さらに新規に経営管理の専門家の協力などで、実績だけではなく、新規性、先駆性にも優れている医療機関と成長されているのだ。

当たり前のことだが、そういう実績と先駆性の高度の融合は、若い医師たちの共感を呼ぶ。地域医療に興味がある若手の医師も少なくないはずだが、実際には地域に出てみると、現場の限界性を感じ、自らの将来を投影しづらく感じている医師が多いといわれる。しかしハーモニークリニックに集う8名の常勤医は皆若く、大変問題意識も優れた優秀な医師ばかりだ。

積極的に皆が発言するカンファレンスに私も参加させていただいた。

様々な積極的な質問が飛び交う中、私に今後の研修医の教育の仕方はどうしたらいいのか?など私も答えに窮するような質問を投げかけてくれた。

外来にはCTや内視鏡検査など、クリニックにして最大級の検査機器を擁しており、最大6診での診療体制、さらには様々な非常勤専門医、連動できる訪問看護ステーションや薬局、ヘルパーステーションなどの存在も心強い。

こんな恵まれた環境で、在宅診療はもとより外来診療、ひいては病院の業務など多彩な仕事ができるとは、なんとうらやましいことだと、私も自分が若い時を振り返って思わざるを得なかった。

まさに20年以上前に中根先生が夢見た、若手の総合診療医たちのユートピアがここにあると感じいった次第である。そして若手の医師たちのユートピアはすなわち将来の地域医療のユートピアでもあると、今回の見学を通じて学ばせていただいた。

 

英裕雄先生ブログ「花咲く地域医療」2015年11月10日 「20年ぶりの恩返し」 より引用抜粋

私は研修医を浦和で過ごした。

その浦和で開かれる講演会で、私に在宅医療の話をと声かけてくださったのは、ハーモニークリニックの中根晴幸理事長。中根先生は私にとって生涯の恩人でもある。
当時右も左もわからない一介の研修医だった私を在宅医療の道にいざなってくれたのは中根先生だったからだ。

「英君。これからは在宅医療の時代になるんだよ。」

そんなことを中根先生は何度も研修医の私に言ってきかした。
在宅医療って何?という感じでちんぷんかんぷんだったが、何となくそんな気もすると私も思えた。
そんな中根先生に、浦和で在宅医療の講演をするようにと言われたとき、申し訳ない気持ちと、少しでも恩返しできたらと思う気持ちで、講演会に臨ませていただいた。
最近外来を始めてみると、改めて在宅医療は様々な業務の集約が重要であるということに気づかされる。
その業務をこなす能力こそが、在宅医療の大きな柱になる。
24時間365日対応する業務。ケアマネジャーや地域の方々と連携をとるという業務・・・これら様々な業務の確立があって初めて、熱意や情熱のある在宅医療ができるという風に思えるからだ。
今日の私の講演が、少しでも御恩返しになったかどうかはわからない。
でも私の原点である。医療の故郷に触れることができて、楽しいひと時だったことは確かだ。」

 

 
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