スギ花粉症の舌下免疫療法(シダトレン) 体験記

お知らせ    2015年11月10日

毎年、スギ花粉が飛ぶ季節になると、目のかゆみやくしゃみが止まらず、つらい思いをしていらっしゃる方は少なくないと思います。私もつらいアレルギー症状に悩まされており、抗アレルギー薬を服用してきました。そのような中、「アレルゲン免疫療法」という新たな治療法が認可されたことを知りました。

 

スギ花粉症の場合、スギ花粉がアレルギーの原因(アレルゲン)となってくしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみなどのアレルギー症状が生じます。「アレルゲン免疫療法」は、このアレルゲンを少量ずつ体に入れることで、体をアレルゲンに慣らしていき、アレルギー症状を和らげていく治療法です。後ほど詳しく記しますが、この治療法では「シダトレン」という液体の薬を舌の下に滴下して服用します。このことから「舌下免疫療法」とも呼ばれています。

 

2015年11月より、医療法人明医研ハーモニークリニックでも、この舌下免疫療法が実施できるようになりました。ちょうど良いきっかけができたと思い、私も11月から治療を始めることにしました。

 

つらいスギ花粉症に悩み、舌下免疫療法に興味を持たれている方や、どのような治療法か不安を持たれている方にとって、少しでも参考になればと思い、私の治療体験を記します。なお、この記録は、私個人の体験を記したものとなりますので、お読みいただく皆さまとの受診環境の違いや、体質なども含めた個人差がある点につきましては、ご理解いただけますようお願いいたします。

 

【初回通院; 医師による診察、説明と検査】

舌下免疫療法を受けるに先立ち、スギ花粉に対してアレルギーを持っているかを判断してもらわなくてはなりません。この判断をするために、外来を受診する必要があります。

 

クリニックの外来受付に行き、舌下免疫療法を受けたい旨を受付スタッフに伝えますと、問診票を渡されます。スギ花粉が飛散する時期の症状や、病歴・既往歴の有無、服薬中の薬などに関する質問に答え、診察室からの呼び出しを待ちます。

 

診察室では、まず問診票に記載した内容に関して医師から質問をされます。私の既往症や服薬中の薬にも問題が無かったようでした。その後、聴診器によりひととおり体調がチェックされた後、アレルゲン免疫療法に関する説明が始まりました。

 

主な説明の内容は、花粉飛散期も含めて3年程度に渡る長期間の治療を継続できるか、シダトレンという薬剤を毎日服用できるか、月1回の受診が可能かということと、副作用および対処法についてでした。

 

シダトレンが入った容器は、はじめの2週間(増量期)とその後(維持期)で形状が変わります。増量期の服用方法は、プッシュ型容器に入った薬剤を1日1回、舌下に滴下して2分間そのままの状態を維持した後に飲み込みます(唾なども飲まずにじっとしています)。アレルギー症状の改善状況によって変わるようですが、この日課を3年間は続ける必要があります。

 

担当医からは、治療を継続しようと思う意志が大切で、中断する患者も少なくないと伝えられました。さすがにこの説明を聞いたとき、三日坊主の私が続けられるか不安になりましたが、毎日の歯磨きのタイミングなど、既に習慣となっている動作と一緒に行うと良いというアドバイスをいただきました。

 

服用後最初の1~2年間は、花粉症の時期になるとアレルギー症状が出るようなのですが、あまりにも花粉症の症状が強く出たときには、医師の指示に従った上で抗ヒスタミン薬を併用してよいそうです。

 

 副作用としては、口内炎や舌下の腫れ、喉のかゆみ、耳のかゆみ、頭痛などが現れる恐れや、アナフィラキシーという急性の過敏反応が生じる可能性があること、また体調不良時はすぐに医師の診察を受けるようにとの説明がありました。

 
黄色パンフ

 なお、上記の説明内容や注意事項は、初回通院の際にいただくことができる冊子(下記の写真)にも細かく記載されており、自宅に帰ってから確認することができました。

 

 

 

 

 

どのような治療法にも利点とリスクがあると思いますが、舌下免疫療法においても、薬の服用により症状が和らぐという利点とあわせて、治療に伴うリスク要素があるようです。この治療の利点とリスクをどう考えるかは人それぞれで異なると思いますが、アレルゲンを皮下注射する従来の皮下免疫療法と比較して副作用もほとんどないということで、私は治療をお願いすることにしました。

 

 次は、診察室を出て血液検査を取るために処置室へ移動します。すぎやヤケヒョウダニ、ヒノキ、ブタクサなど代表的なアレルゲンをいくつかまとめて検査するための採血をうけました。検査結果が出るまでに約1週間かかるとのことです。受付で次回の予約を取り、会計を済ませて初回通院を終えました。

 

【通院2回目: 医師による診察と薬剤の服用】

 診察室に入ると、まず前回の血液検査の結果が説明されます。私の場合はスギ花粉と ヤケヒョウダニにアレルギーがあるということで、スギ花粉症であることが判定されました。

 

舌下免疫療法を行う意志を伝え、治療同意の書類に署名した後、血圧測定や聴診、口腔内の確認が行われます。私の場合、特に問題なく1回目の服用をする許可が得られました。担当医に伺ったところ、当日たまたま口内炎ができてしまっていたり、喘息発作があったりした場合には、薬の服用が延期されることもあるとのことです。

 

その後、シダトレンの処方箋が医師から渡されます。一旦、ハーモニークリニックを出て、近くのサン&グリーン薬局に行き、シダトレンを受け取ってから再びクリニックに戻りました。この部分の流れは、クリニックによって異なると思います。

 

青

受付スタッフに薬を受け取ってきた旨を伝えると、処置室へ案内されました。看護師が「シダトレンを服用される患者さんへ」というパンフレットを参照しながら、服用手順や、2日目以降の服用時の注意点を詳しく教えてくれます。

 

 

 

 

 

看護師のアドバイスを受けながら、用意していただいた鏡に顔を映し、舌の裏を見えるように上げて、舌下部分に薬剤を1回プッシュします。鏡があったためか、プッシュは難しくありませんでした。シダトレンには、グリセリンが含まれているためにピリピリと感じることがあるとパンフレットに書いてありましたが、私の場合はそのような感じはなく、ほんのりと甘いような、薄い味を感じました。これは個人差が大きいのではないかと思います。

 

処置室で2分間、唾を飲み込まないように静かに過ごします。2分経過すると看護師が知らせてくれて、薬をそのまま飲みこむように指示されます。副作用が生じないかを確認するため、その後30分間は待合室で待機し、何か異変があったらクリニックのスタッフに連絡するように伝えられました。

 

待合の椅子に座り、所定の時間が過ぎるのを待っていますと、およそ10分おきに看護師が様子を確認してくれました。特に自覚する症状も出ませんでしたし、また顔色なども変化が無かったようです。初回の服用時だけではありますが、30分間待ち、副作用が起きていないかを確認していただかなくてはなりません。私の場合は、好みの雑誌がクリニック内にありましたので、待ち時間が気になりませんでしたが、これから舌下免疫療法を受けようとされる方は、初回の服用時にお気に入りの本などを持参されることをお勧めします。

 

時間になるとクリニックのスタッフが来て、初回服用時の確認が完了した旨が伝えられます。受付で2週間後の受診予約をして会計を終え、通院2回目が終わりました。

 

【自宅での服用を開始】

 特に問題がなければ、2回目の診療の翌日からは2週間先までクリニックに行くことはありません。2回目の服薬からは自宅で行うことになります。

 

 

無題

ハーモニークリニックの先生から、シダトレン服用者向けのiPhone用アプリがあると聞いていましたので、早速ダウンロードしてみました。App Store「SLITサポート(スギ花粉症)」という名称でタウンロードできます。毎日、薬を舌下に滴下して2分間待つためのタイマー機能や、飲み忘れ防止のアラーム機能、日記、グラフ、ミニゲームが利用可能な優れものです

このアプリも利用しながら、自宅で2回目の服用をしてみました。既にクリニックで経験しているので、特に支障なく終わりました。普段は忘れずに服用できそうですが、出張や旅行をする際に忘れないように気を付けたいと思います。服用から2週間を過ぎると、プッシュボトルタイプから、1回分使い切りのパックタイプ(写真中)に変わるので、移動時の持ち運びが楽になりそうです。

 

 

 

 

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